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尹東柱・詩人のまなざし
尹東柱・詩人のまなざし
高橋邦輔 著

●2022年6月6日刊行
●四六判 204ページ 並製
●定価 1,800円+税
●ISBN978-4-86377-074-4

祖国が解放される前に、「治安維持法違反」容疑で客地日本の刑務所で非業の死を遂げた朝鮮の詩人・尹東柱。詩人は絶唱として名高い「序詩」に何を込めたのか。論争となってきたこの詩の翻訳をめぐる問題を丹念に解くとともに、尹東柱の生い立ちや東京・京都での暮らし、そのなかで培われた「詩人のまなざし」に迫る。

著者:
高橋邦輔(たかはし・くにすけ)
1937年 朝鮮慶尚北道大邱府(当時)生れ
1945年 父の出身地の香川県に引揚げ。小学校2年生までいた大邱では、完全な日本人町で過ごし、朝鮮語は全く知らなかった
1956年 香川県立丸亀高校卒業。早稲田大学政治経済学部新聞学科入学
1960年 朝日新聞社入社
1997年 定年退職
著書 『全羅の野火 東学農民戦争探訪』(社会評論社 2018年)
訳書 『光州・五月の記憶 尹祥源評伝』林洛平著(社会評論社 2010年)

目次
序章
第一章 「序詩」和訳をめぐって
第一節 「生きとし生けるもの」
第二節 스치운다(スチウンダ)
第三節 北間島方言と六鎮
第四節 「ゆりかご」の明東村
第二章 『空と風と星と詩』の誕生
第一節 詩稿は生き残った
第二節 忘れられた功労者
第三節 『病院』からの飛翔
第三章 宋夢奎のいた京都
第一節 約束の地
第二節 朝鮮人徴兵制
第三節 分離裁判と量刑
第四章 映画「동주(トンヂュ)」の虚構
第五章 宋友恵さんに訊く
尹東柱詩抄
あとがき
資料集
1 在京都朝鮮人學生民族主義グループ事件策動槪要(「特高月報」)
2 尹東柱に対する京都地裁判決全文
3 宋夢奎に対する京都地裁判決全文
参照した主な資料

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スクリーンに息づく愛しき人びと 社会のみかたを映画に教えられて
スクリーンに息づく愛しき人びと
 社会のみかたを映画に教えられて
熊沢 誠 著

●2022年4月16日刊行
●四六判 220ページ 並製
●定価 1,800円+税
●ISBN978-4-86377-071-3

労働研究の泰斗による珠玉の映画評論集

2010年代以降の80本以上の劇場公開作品を、戦争と分断、日本の権力者の戦争責任、原発、「赤狩り」と戦後アメリカ映画の軌跡、「山田洋次が見失ったもの」、『万引き家族』の衝撃、老親介護、子どもの受難、労働運動の衰退と再生などをテーマに論じる。労働研究の泰斗による珠玉の映画評論集であり、2010~20年代の現代社会論!

著者:
熊沢 誠(くまざわ・まこと)
1938年三重県四日市市生まれ。1961年京都大学経済学部卒業(1969年経済学博士)。1996年社会政策学会学術賞受賞。甲南大学名誉教授。著書に、『国家のなかの国家──労働党政権下の労働組合・1964-70』(日本評論社、1976年)、『新編 日本の労働者像』(ちくま学芸文庫、1993年)、『能力主義と企業社会』(岩波新書、1997年)、『女性労働と企業社会』(岩波新書、2000年)、『リストラとワークシェアリング』(岩波新書、2003年)、『格差社会ニッポンで働くということ』(岩波書店、2007年)、『労働組合運動とはなにか──絆のある働き方をもとめて』(岩波書店、2013年)、『私の労働研究』(堀之内出版、2015年)、『過労死・過労自殺の現代史──働きすぎに斃れる人たち』(岩波現代文庫、2018年)など多数。長年の映画ファンとして、その分野のエッセイストとしても知られる。

目次
序にかえて
第1話 階級連帯の内と外 『パレードへようこそ』『ブラス!』『リトル・ダンサー』
第2話 日本・一九四五年八月 『この国の空』『日本のいちばん長い日』
第3話 引き裂かれた妻と夫の再会 『妻への家路』『かくも長き不在』『心の旅路』
第4話 狂っているのはどちらか 『天空の蜂』『生きものの記録』
第5話 『明日へ』の『外泊』 韓国の非正規女性労働者
第6話 山田洋次が見失ったもの 『母と暮せば』への軌跡
第7話 限られた生の証をいとおしむ 『わたしを離さないで』
第8話 『64─ロクヨン』の厚みと熱量
第9話 〈労働〉のリアルをみる憂鬱 『ティエリー・トグルドーの憂鬱』『ナビゲーター』
第10話 かけがえのない出会いに賭ける 『怒り』『悪人』
第11話 トランプ時代の『トランボ』観賞
第12話 日本の女性の半生・淡彩と油彩 『この世界の片隅に』『にっぽん昆虫記』
第13話 サフラジェット賛歌 『未来を花束にして』
第14話 アンジェイ・ワイダの遺したもの 『残像』『カティンの森』
第15話 「頑張れ!」の届く地点はどこに 『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』『川の底からこんにちは』
第16話 二〇一七年の映画ノートから 『夜明けの祈り』と『黄色い星の子供たち』 『わたしは、ダニエル・ブレイク』と『リフ・ラフ』
第17話 報道の自由とベトナム戦争 『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』『ハーツ・アンド・マインズ』
第18話 仮構の家族の絆と危うさ 私の『万引き家族』鑑賞
第19話 八〇年代の韓国・民衆抵抗の息吹 『タクシー運転手 約束は海を越えて』『1987、ある闘いの真実』
第20話 企業告発における「外部」と「内部」 『七つの会議』『空飛ぶタイヤ』
第21話 ふたつの「希望」 『僕たちは希望という名の列車に乗った』『希望の灯り』
第22話 『長いお別れ』の不思議な明るさ
第23話 格差社会を抉る二つの秀作 『ジョーカー』『家族を想うとき』
第24話 『Fukushima 50』の光と陰
第25話 兵士の帰還 『ディア・ハンター』『我等の生涯の最良の年』『ハート・ロッカー』
第26話 『真昼の暗黒』をめぐって
第27話 子どもたちの受難 『存在のない子供たち』『異端の鳥』
第28話 ホワイトカラーの従属と自立 『アパートの鍵貸します』『私が棄てた女』
あとがき
本書で語られる映画 タイトル・監督・そのほか

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琉球とヤマト 歴史の視座を求めて
琉球とヤマト
 歴史の視座を求めて
島 征一郎 著

●2021年8月15日刊行
●四六判 168ページ 並製
●定価 1,100円+税
●ISBN978-4-86377-068-3

古代、中世の特異な琉球の歴史、「全島に世界の富が満ち溢れている」16世紀尚王朝の繁栄。その後の薩摩藩による支配、明治政府による併合。これらの歴史を見る視点を描く。巻末に「大江健三郎と沖縄」など併載。

著者:
島征一郎(しま・せいいちろう)
1941年大阪市生まれ。
1965年大阪市立大学経済学部卒。
1971年公認会計士試験二次試験に合格し監査法人等勤務。
1978年独立して島公認会計士事務所設立。
1989年奈良市に転居して今日に至る。
2011年廃業して自由研究生活。
2014年から琉球沖縄研究に集中。
2021年沖縄に関する著書刊行。
著書等『健全企業に求められる会計と税務』(編著)1992年、PHP研究所。
他に公認会計士関連冊子、会報に論文など。

目次
 はじめに─琉球とヤマト
第一章 南島(琉球列島)の旧石器時代と貝塚時代、グスク時代と琉球の成立
 第一節 石器時代
 第二節 縄文時代(貝塚時代)
 第三節 南島とヤマトの関係
 第四節 「琉球」の成立
 第五節 グスク時代から王の時代へ
 第六節 ヤマトの世相
 第七節 明国とヤマト、南島、アイヌ
 第八節 三山時代から第一尚氏王統へ
 第九節 第一尚氏王朝の時代
第二章 第二尚氏王朝の栄光と挫折
 第一節 尚真王、黄金時代
 第二節 琉球、ヤマト、中国の動向
 第三節 薩摩統治時代の琉球
 第四節 文化・芸能・思想
 第五節 幕末の嵐
 第六節 薩摩の状況
 第七節 島津斉彬プランと島津崩れ
 第八節 島津斉彬プランの現実性
 第九節 ヤマトの明治維新と琉球王府の対応
 第十節 明治政府の対応
 第十一節 台湾事件の概要
 第十二節 「琉球処分」の経過
 第十三節 琉球分割問題
 第十四節 「琉球処分」の評価
第三章 明治維新の日本国
 第一節 「公議」という価値観
 第二節 大政奉還
 第三節 王政復古と五箇条の御誓文
 第四節 版籍奉還
 第五節 征韓論
 第六節 明治政府の「公議と意思決定のシステム」の経過
 第七節 憲法と「国体」
 第八節 天皇の神格化
第四章 沖縄の明治維新
 第一節 沖縄大混乱
 第二節 ヤマトから来た県令(知事)たち
 第三節 沖縄における制度改革の遅れ
 第四節 日清戦争と沖縄(明治二十七、二十八年)
 第五節 沖縄の新しい芽(進歩と反動)
 第六節 謝花昇(一八六五~一九〇八)と民権運動
 第七節 同志当山久三らの移民事業
 第八節 明治初期の教育
 第九節 伊波普猷の歴史認識
付論一 日本における神国思想と天皇神格化に関する覚書
付論二 大江健三郎と沖縄
おわりに
参考文献

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京大よ、還せ 琉球人遺骨は訴える
京大よ、還せ
 琉球人遺骨は訴える
松島泰勝、山内小夜子 編著

●2020年9月20日刊行
●四六判 256ページ 並製
●定価 1,700円+税
●ISBN978-4-86377-060-7

2019年、日本の大学・アカデミズムに衝撃を与えた『大学による盗骨―研究利用され続ける琉球人・アイヌ遺骨』(書評掲載:朝日新聞、琉球新報、沖縄タイムス、北海道新聞他)の続編。

琉球民族遺骨返還請求訴訟が提起する問題はなにか。なぜ再風葬を求めるのか。〈琉球の人骨なら研究に利用してもいい〉という差別と植民地主義が、研究者の意識の根底にある。京大だけでなく旧帝国大学には、琉球・アイヌ民族の他、アジア各地から持ち出された遺骨があると見られる。いま、大学の真摯な応答、調査、返還が求められている。

編著者:
松島泰勝(まつしま・やすかつ)
1963年琉球・石垣島生まれ。龍谷大学教授。琉球民族遺骨返還請求訴訟原告団長。『帝国の島』(明石書店)、『琉球 奪われた骨』(岩波書店)、『琉球独立宣言』(講談社)ほか。
山内小夜子(やまうち・さよこ)
愛媛県生まれ。真宗大谷派(東本願寺)僧侶。琉球遺骨返還請求訴訟支援全国連絡会事務局長。大谷大学非常勤講師。

目次
 はじめに
Ⅰ 京大は遺骨を元の場所に返しなさい
 京大は遺骨を元の場所に返しなさい  琉球民族遺骨返還請求訴訟弁護団
 哀しき哉、我が先祖!  亀谷正子
 沖縄県教育委員会は琉球人の心で考えて!  玉城 毅
 ウチナーの未来はウチナーンチュが決める  照屋寛徳
 沖縄の死生観(子宮回帰)から考える盗骨  金城 實
 京都大学による「琉球人差別事件」を訴える  松島泰勝
 コラム
  奪ったすべての琉球人遺骨は元の風葬地に  島袋マカト陽子
  琉球人としての自覚を呼び覚ます裁判  玉城和宏
  せめてお線香の一本でも……  外間三枝子
Ⅱ 京大による遺骨盗掘問題とは何か
 京都帝大の人類学者の植民地主義的ダブルスタンダード  板垣竜太
 京都大学の植民地主義を問う  駒込 武
 負の連鎖に終止符を 奄美人遺骨収集事件の背景  原井一郎
 コラム
  学知の植民地主義は京大にどう存在しているか  黒石 級
  京大学内の現状と一学生としての活動報告  つじねこ
  加害を庇い合う研究文化  中野 楓
Ⅲ 琉球の死生観・歴史・骨神信仰
 遺骨返還は私たちの責任  横田チヨ子
 骨神信仰からみた琉球と日本――「皇民化」と差別の一四〇年  伊佐眞一
 琉球併合と遺骨問題との関係  波平恒男
 コラム
  琉球人の悔しさを心に留めながら  與儀睦美
  琉球民族遺骨返還訴訟への想い  呉屋初子
Ⅳ なぜ再風葬を求めるのか 民族の自己決定権
 琉球・沖縄人のアイデンティティと自己決定権の確立へ!! 百按司墓と「遺骨保管場所」京大総合博物館の現地調査を  崎浜盛喜
 琉球の自己決定権と遺骨収奪  宮城隆尋
 台湾大学による琉球民族遺骨返還の顛末  石 佳音
 日本国憲法における先住民族の集団的権利  奥野恒久
 遺骨や副葬品を取り戻しつつある先住民のための試論  池田光穂
 オーストラリア先住民族の遺骨返還  友永雄吾
 コラム
  アイデンティティの拠り所としての今帰仁  渡口正三
  日本人類学会の「要望書」とアイヌ遺骨問題  出原昌志
  人類学と植民地主義─―琉球をめぐって  川瀬俊治
むすびにかえて
資料
京都大学への要望書(日本人類学会)
日本人類学会への抗議文(琉球民族遺骨返還研究会)
日本人類学会への抗議文(琉球遺骨返還請求訴訟・支援集会参加者一同)
関連年表
琉球遺骨返還請求訴訟支援全国連絡会のご案内

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大阪砲兵工廠年表
大阪砲兵工廠年表
久保 在久 著

●2020年9月10日刊行
●A4判 170ページ 並製
●定価1,364円+税
●ISBN978-4-86377-061-4

東洋一といわれた規模の軍需工場・大阪砲兵工廠について、当時の新聞記事・文献から年表形式でその全貌を記す。周辺の市街地の形成とともに、皇族・諸外国公使から修学旅行の学生までの多彩な訪問者、頻発する労働災害、植民地の同化政策としての砲兵工廠の姿が浮かび上がる。

著者:
久保 在久(クボ スミヒサ)
1936年、和歌山県西牟婁郡栗栖川村(現田辺市)生まれ
著書
『大阪砲兵工廠資料集』1987年 日本経済評論社
『大阪砲兵工廠物語』 2019年 耕文社


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日米財界の相克と協調 日米関係の過去・現在・未来
日米財界の相克と協調
 日米関係の過去・現在・未来
髙瀬 久直 著

●2020年2月1日刊行
●A5判 216ページ 上製
●定価 3,500円+税
●ISBN978-4-86377-059-1

戦前戦後で連続的に捉えた日米経済史・財界研究の成果!

日米の両国経済は、戦争や経済摩擦など多くの緊張要因にもかかわらず、なぜ、どのように、緊密な関係を保持し続けてきたのか。本書は1920年代から2000年代までの約1世紀間の両国財界の形成とその関係の変遷を、政治社会学の観点で分析する。日米両国における労使関係、資本蓄積のあり方、多国籍企業・国際的銀行を含めた財界内部の多様な集団(資本諸分派)、財界と政治エリートの関係を含む国家・社会関係を取り上げつつ、日米財界の相克と協調の歴史を描き出す。

著者:
髙瀬久直(たかせ・ひさなお)
1983年生まれ
2016年、一橋大学大学院社会学研究科総合社会科学専攻博士後期課程修了
2016年、博士(社会学)(一橋大学)
現在、安田女子大学心理学部ビジネス心理学科助教
主著 
「2002年から2013年までの春闘に関する一考察」『安田女子大学紀要』第47号、2019年。
「春闘と経営者団体―日経連・日本経団連とIMF‒JCを中心に」『大原社会問題研究所雑誌』715号、2018年。
‘Japanese transnational capitalists and Asia-Pacific free trade’ Jeb Sprague ed., Globalization and Transnational Capitalism in Asia and Oceania, Routledge, 2015.。

目次
序 章 本研究の課題と分析枠組み
 1 本研究の問題関心
 2 先行研究の検討
 3 本研究の課題と分析枠組み
 4 アメリカにおける有力な資本諸分派―その歴史的展開
 5 日本における有力な資本諸分派―その歴史的展開
 6 本研究における時期区分と構成について
第1章 自由主義的国際主義の時代
 1 アメリカにおける金融界の台頭と自由主義的国際主義の形成
 2 日米金融界の提携と日米経済関係の緊密化
 3 自由主義的国際主義の危機と日本
第2章 アメリカにおける法人自由主義(埋め込まれた自由主義)の形成と日米対立
1 フォード主義的諸産業のアメリカ多国籍企業の台頭と法人自由主義の形成
2 アメリカ多国籍企業と日本経済
3 日米間での国際経済秩序観の相違
第3章 法人自由主義(埋め込まれた自由主義)の時代
1 アメリカの企業・銀行の日本再進出と占領政策の重点変更
2 日米電機業界の提携
3 日米パートナーシップと日米経済関係の緊密化
第4章 法人自由主義の危機、自由貿易体制の維持、新自由主義の形成
1 アメリカと日本における法人自由主義の危機
2 日米間での貿易摩擦と自由貿易体制に関する合意
3 アメリカにおける金融界の台頭と新自由主義の形成
第5章 新自由主義の時代
 1 アメリカ金融界と日本の米系外資企業・多国籍企業の提携
 2 成長のための日米経済パートナーシップと日米経済関係の緊密化
 3 リーマン・ショックとトヨタ・ショック
終 章 本研究の成果と今後の課題
 1 各章の要約
 2 本研究の成果
 3 今後の課題
あとがき/参考文献/索引

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森アッパの日本語・朝鮮語比較論
森アッパの日本語・朝鮮語比較論
森アッパ 著

●2019年12月11日刊行
●A5判 188ページ 並製
●定価1,000円+税
●ISBN978-4-86377-056-0

日本語と朝鮮語は語順のみならず名詞、動詞、形容詞、擬態語、格言など多くの点で似ていれば、おもしろい相違もあります。 ことばと歴史の旅へと誘う森アッパ(森父さん/頭が痛い)の日本語・朝鮮語比較論。

著者:
森アッパ(モリアッパ)
森アッパ(森父さん/頭が痛い)こと森國悦。
1952年生まれ。東大阪市出身。本業は小児科および公衆衛生医師。
主な論文に「水中運動を取り入れた糖尿病教室の効果」や「福島原発事故後の周産期死亡の増加」がある。

目次
はじめに
日本語・朝鮮語比較論
第1部 たくさんの類似語と文法の一致
 1 動物の名前は鳴き声から
 2 共通する名詞がたくさん
 3 擬態語をよく使い、一致するものが多い
 4 共通する動詞群
 5 動詞の活用形と変化
 6 他動詞、自動詞、受動詞、使役動詞の分化
 7 動詞からつくられる名詞
 8 動詞の特殊な用法
 9 共通する形容詞群
 10 共通する助詞群
 11 否定形の話
第2部 日本語・朝鮮語の発音は、それぞれ別の方向に変化してきた
 12 日本語の発音の変化
 13 朝鮮語の発音の変化
第3部 漢字をめぐる話
 14 朝鮮語と日本語の漢字音の対応関係
 15 日本人・日本語の起源と稲の伝来
 16 漢字の伝来
 17 中国語の多彩な発音に対応した朝鮮語
 18 漢字の活用方法の相違
 19 漢字の音表記が多い朝鮮語
第4部 他にもあるおもしろい相違
 20 すこし違う漢字語の使い方
 21 漢字や外来語から変化したことば
 22 格言と俗談
「日本建国」論
あとがき/参考文献

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平和とジェンダー正義を求めて
平和とジェンダー正義を求めて
アフガニスタンに希望の灯火を
清末 愛砂・前田 朗・桐生 佳子 編著

●2019年10月4日刊行
●A5判 92ページ 並製
●定価1,000円+税
●ISBN978-4-86377-058-4

RAWA来日! 2019年10月、東京、大阪、京都、兵庫、北海道でスピーキングツアー開催。

アフガニスタンの人々は、度重なる外国の政治介入、軍事侵攻、内戦などの過酷な現代史を生きてきた。とりわけ日常生活でさまざまな差別や暴力を受けてきた女性たちは、1977年にRAWA(アフガニスタン女性革命協会)を設立し、平和で民主的な社会を求め歩んできた。
2001年の同時多発攻撃(9・11)以後、米国は英国などとともにアフガニスタンを爆撃し、ターリバーン政権を崩壊させた。しかし、以後の政権下で女性は解放されるどころか、むしろ暴力・差別・貧困は悪化している。
アフガニスタンへの無関心が続く日本で、連帯は可能か。本書はこれまでのそしてこれからも続いていくRAWAとの連帯の記録である。

編著者:
清末愛砂(キヨスエ アイサ)
室蘭工業大学大学院工学研究科准教授。1972年生まれ。専門は憲法学、ジェンダー法、家族法。アフガニスタンのジェンダーに基づく暴力の研究をライフワークの一つにしている。RAWAと連帯する会共同代表。

前田 朗(マエダ アキラ)
東京造形大学教授。1955年生まれ。専門は戦争犯罪論、刑事人権論。RAWAと連帯する会共同代表。朝鮮大学校法律学科講師、日本民主法律家協会理事、国際人権活動日本委員会運営委員、平和への権利国際キャンペーン日本実行委員会共同代表。

桐生佳子(キリュウ ヨシコ)
RAWAと連帯する会事務局長。1949年生まれ。元小学校教員。2006年よりRAWAと連帯する会の活動に加わり、これまでアフガニスタンを5回、パキスタンを11回訪問。RAWAと連帯する活動を追求している。

目次
はじめに (前田 朗)
読者の皆さまへ──RAWAからのメッセージ
第1章 アフガニスタンにおけるジェンダーに基づく暴力──その形態と諸要因 (清末愛砂)
第2章 RAWA設立者・ミーナーの生涯 (前田 朗)
第3章 RAWAのいまとこれから (清末愛砂)
第4章 近年のRAWAの声明
第5章 RAWAと連帯する会のとりくみ (桐生佳子)
資 料 ゆっくり読もう、アフガニスタン現代史 (前田 朗)
おわりに (清末愛砂)

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クレサラ対協40周年記念誌
クレサラ対協40周年記念誌
失われ続ける時代、生活再建の今
全国クレサラ・生活再建問題対策協議会 編

●2019年6月15日刊行
●四六判 並製 325ページ
●定価1,852円+税
●ISBN978-4-86377-055-3

1978年の結成以来、多重債務被害者の救済、サラ金の法規制に取り組んできたクレサラ対協。2010年の改正貸金業法施行後、クレジット・サラ金問題は一定程度解決し、問題でなくなったかのように見える。しかしより巧妙に見えにくくなった金融被害、生活再建の機会を奪う行政の過酷な滞納処分問題、奨学金という名の貸付、保証人問題等、問題は山積している。今つきつけられている課題は何か、現場で取り組む弁護士・司法書士他実務家、被害者の会、研究者らが論じる。

編著者:
全国クレサラ・生活再建問題対策協議会(ゼンコククレサラセイカツサイケンモンダイタイサクキョウギカイ)
1978年に結成。弁護士、司法書士、相談員などの実務家、多重債務被害者、研究者らが集まり、多重債務被害者の救済、貸金業法の改正等に取り組んでいる。

章タイトルをクリックで、目次が展開します。再度クリックで閉じます。

発刊に際して(木村達也)

第2章 鼎談 多重債務から生活再建へ─クレサラ対協40年の活動と今後の課題─(新里宏二/小久保哲郎/小野順子/岡澤史人) 結び 40周年記念誌「まとめ」にかえて─民主的勢力のためのインフラ整備と名称について─(柴田武男)

資料 年表(2008~2019)/新聞記事/声明/クレサラ対協並びに関係団体組織一覧
編集後記(水谷英二)

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英雄のように未来を生きる
英雄のように未来を生きる
復旦大学留学日記
吉永英未 著

●2019年6月30日刊行
●四六判 118ページ 並製
●定価1,000円+税
●ISBN978-4-86377-054-6

平和学を志し、鹿児島から上海の大学院に留学。厳しい研究指導のもと、挫折を繰り返すも必死に食らいつていく。寮生活、辺境の農村での教育活動、学友らとの語らいや葛藤の日々を日記形式で綴る。

【推薦のことば】
英未さんの『復旦大学留学日記』の刊行に寄せて──アジアの希望の星となれ! 木村 朗
人の心に平和のとりでを築いて 康上賢淑
英未の「平和学」について 大石慶二

編著者:
吉永英未(ヨシナガ エミ)
2014年3月  鹿児島国際大学国際文化学部言語コミュニケーション学科卒業 2017年6月  中国復旦大学大学院卒業(歴史学 修士)

目次
はじめに
1 留学生活の始まり
2 私の母
3 かけがえのない友
4 私達の夏──支教
5 南京大学で学ぶ平和学
6 努力の花
7 東南アジア平和之旅
8 流れる時間と思い出になる日
9 卒業のとき
補論 学部四年間を振り返って
おわりに

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大阪砲兵工廠物語
大阪砲兵工廠物語
久保 在久 著

●2019年5月20日刊行
●A5判 112ページ 並製
●定価1,000円+税
●ISBN978-4-86377-053-9

現在の大阪城公園は、戦後まで大阪砲兵工廠という軍需工場であった。軍事施設のため多く残されていない資料や新聞記事から、大阪砲兵工廠の歴史、周辺の労働者街の形成、労災事故、労働組合運動、そして、大阪大空襲の惨劇を、平易に描く。

著者:
久保 在久(クボ スミヒサ)
1936年 和歌山県生まれ
1960年 立命館大学文学部史学科(日本史)中退
『大阪社会労働運動史』などを共同執筆

章タイトルをクリックで、目次が展開します。再度クリックで閉じます。


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大学による盗骨ー研究利用され続ける琉球人・アイヌ遺骨
大学による盗骨
ー研究利用され続ける琉球人・アイヌ遺骨
松島泰勝・木村 朗 編著

●2019年2月1日刊行
●四六判 並製 325ページ
●定価1,800円+税
●ISBN978-4-86377-052-2

★★琉球人・アイヌの骨だったらいいのか?
日本の学知の根底にある民族差別と植民地主義を問う

墳墓発掘、遺骨領有は、戦前も戦後も刑法犯罪。人類学者らは琉球、アイヌモシリ、台湾、朝鮮で墓を無断で暴き、骨と埋葬品を持ち去った。大学に所蔵された人骨標本は、今日のDNA 研究に至るまで多くの論文と研究資金の源となってきた。日本の学知の根底にある民族差別と植民地主義を問う。

編著者:
松島泰勝(マツシマ ヤスカツ)
1963年琉球・石垣島生まれ。在ハガッニャ(グアム)日本国総領事館と在パラオ日本国大使館の専門調査員等を経て、龍谷大学教授。琉球民族遺骨返還請求訴訟原告団長。琉球民族遺骨返還研究会代表。単著『琉球 奪われた骨』(岩波書店)、『琉球独立への経済学』(法律文化社)、『琉球独立宣言』(講談社)、『琉球独立論』(バジリコ)、『沖縄島嶼経済史』(藤原書店)ほか。

木村 朗(キムラ アキラ)
1954年北九州市小倉生まれ。鹿児島大学教員、平和学専攻。東アジア共同体・沖縄(琉球)研究会共同代表、日本平和学会理事。単著『危機の時代の平和学』(法律文化社)、共編著『21世紀のグローバル・ファシズム』『志布志事件は終わらない』『中国・北朝鮮脅威論を超えて』(以上、耕文社)、共著『「昭和・平成」戦後政治の謀略史』(詩想社)ほか。

目次
序言 東アジアにおける琉球人・アイヌ遺骨問題 鳩山友紀夫
はじめに 松島泰勝
Ⅰ 琉球の遺骨返還問題
 第1章 琉球人遺骨問題と自己決定権 宮城隆尋
 コラム 琉球人の骨神と霊魂観、生死観 高良 勉
 第2章  形質人類学と植民地主義との歴史的関係と今日的課題
   ――金関丈夫「人種学」を中心にして
松島泰勝
 コラム 百按司墓と植民地主義 与那嶺義雄
 第3章 研究のおぞましさについて 冨山一郎
 コラム 源氏系統と百按司系統
   ――日琉同祖論と英雄シャクシャイン
与那嶺功
Ⅱ アイヌの遺骨返還問題
 第4章 アイヌ遺骨返還運動とDNA研究 植木哲也
 コラム 私たちのご先祖様のお墓、盗掘遺骨を返してください 浦川早苗
 第5章 問われる日本人の歴史認識と先住民族アイヌの権利回復
   ――アイヌ新法に先住権の明記を!
出原昌志
 コラム 土地を奪われ、遺骨を奪われて一五〇年 木村二三夫
 第6章 ドイツから「移管」されたあるアイヌの遺骨と脱植民地化 小田博志
 コラム アイヌ遺骨返還の闘い 小川隆吉
Ⅲ 植民地主義と学問の暴力
 第7章 連載「帝国の骨」の取材から
   ――京都帝国大の系譜
岡本晃明
 コラム 植民地主義未清算の不作為 白鳥龍也
 第8章 植民地主義と学知の調査暴力
   ――「オキナワ」を返せ、琉球人遺骨を帰せ!
佐藤幸男
 コラム 琉球・沖縄人から日本人へ 当真嗣清
 第9章 学問という名の暴力
   ――遺骨返還問題に見る植民地主義
前田 朗
 コラム 旧帝国大学による琉球人遺骨の未返還問題についての私見 具志堅隆松
 第10章 日本の植民地主義とアイヌ・琉球(沖縄)・奄美の遺骨問題 木村 朗
 第11章 京都大学に対する奄美人遺骨返還運動 大津幸夫
 コラム 「知と骨」のソナタ 原井一郎
 第12章 なお遠い「知」の植民地清算
   ――現在の朝鮮人の遺骨奉還の取り組みにもふれて
川瀬俊治
Ⅳ 京都大学を訴える
 第13章 ウヤファーフジ(先祖)の遺骨を返せ 照屋寛徳
 第14章 問題解決のための今後の展望 松島泰勝
 第15章 原告の訴え ご先祖のマブイに平安を 子孫としての切なる願い 亀谷正子
 第16章 百按司墓の盗掘と植民地主義 丹羽雅雄
琉球人・アイヌ遺骨返還問題にみる植民地主義に抗議する声明文
おわりに 松島泰勝
琉球民族遺骨返還請求訴訟支援全国連絡会のご案内
関連年表

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社会保障知っトクまるわかりー安心生活をつくる38の方法
社会保障知っトクまるわかり
ー安心生活をつくる38の方法
全国クレサラ・生活再建問題対策協議会 社会保障問題研究会 編

●2017年11月10日刊行
●A5判 並製 190ページ
●定価1,500円+税
●ISBN978-4-86377-051-5

年金、介護、医療、失業、子育て、進学、生活保護…。
社会保障制度は複雑すぎてわかにくい。
もっと制度を活用していくために、利用者の視点に立って分かりやすく解説! 

編者:
全国クレサラ・生活再建問題対策協議会 社会保障問題研究会
1978年に結成された全国クレサラ・生活再建問題対策協議会内の研究会。学者、弁護士、司法書士、社会保険労務士、自治体職員、相談員など専門家が集まって社会保障問題を研究・討議し、シンポジウムやセミナー、障害年金110番などを実施している。

【執筆者(執筆順)】木村達也(大阪弁護士会)、佐々木育子(奈良弁護士会)、小池直人(自治体職員)、村上晃(長野県弁護士会)、高田智子(滋賀県社会保険労務士会)、藤岡夕里子(滋賀県社会保険労務士会)、岡澤史人(釧路弁護士会)、小野順子(大阪弁護士会)、山田孟志(精神保健福祉士)、山口浩次(大津市社会福祉協議会)、土井裕明(滋賀弁護士会)、椛島敏雅(福岡県弁護士会)、小野啓輔(自治体職員)、甲斐道太郎(大阪市立大学名誉教授)、常岡久寿雄(千葉県弁護士会)、和田洋子(長野県司法書士会)、野澤貞人(長野県司法書士会)、宇都宮誠実(自治体職員)、喜成清重(石川県司法書士会)、徳武聡子(大阪司法書士会)、森弘典(愛知県弁護士会)、生水裕美(自治体職員)、久保田直浩(自治体職員)、岩重佳治(東京弁護士会)、増田尚(大阪弁護士会)、仲道宗弘(群馬司法書士会)、小倉光雄(NPO法人消費者支援群馬ひまわりの会)、水谷英二(愛知県司法書士会)

目次

※各章タイトルをクリックで、目次が展開します。再度クリックで閉じます。

はじめに


編集後記
索引

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中国・北朝鮮脅威論を超えて
中国・北朝鮮脅威論を超えて
東アジア不戦共同体の構築
進藤 榮一、木村 朗 編著

●2017年10月30日刊行
●A5判 並製 320ページ
●定価1,800円+税
●ISBN978-4-86377-050-8

圧力ではなく対話の東アジアへ

中国・北朝鮮敵視外交から、対話重視と信頼醸成の外交に向かうには?
沖縄を軍事の要から平和の要に転化し、東アジア不戦共同体を築くには?
緊張高まる東アジア情勢の中、第一線の論者が答える。

編著者:
進藤 榮一(シンドウ エイイチ)
1939年北海道生まれ。京都大学法学部卒、同大学院博士課程修了。鹿児島大助教授、プリンストン大、ハーバード大、オックスフォード大、ジョンズホプキンズ大、フェロー等を歴任。筑波大学名誉教授、国際アジア共同体学会会長、一般社団法人アジア連合大学院機構理事長、国連NGO DEVNET東京・理事。著書に『アメリカ帝国の終焉―勃興するアジアと多極化する世界』(講談社)、『アジア力の世紀』、『アメリカ黄昏の世紀』、『現代紛争の構造』、『分割された領土』(岩波書店)、『国際公共政策』(日本経済評論社)等多数。訳書に『巨龍・中国の新外交戦略』(柏書房)。最近編著に『東アジア連携の道をひらく― 脱炭素社会・エネルギー・食料』(花伝社)。

木村 朗(キムラ アキラ)
1954年北九州市小倉生まれ。鹿児島大学教員、平和学専攻。東アジア共同体・沖縄(琉球)研究会共同代表、日本平和学会理事。平和問題ゼミナール主宰。インターネット新聞NPJに論評「時代の奔流を見据えて」を連載中。主な著作は、単著『危機の時代の平和学』(法律文化社)、共著『広島・長崎への原爆投下再考―日米の視点』(法律文化社)、『21世紀のグローバル・ファシズム―侵略戦争と暗黒社会を許さないために―』(耕文社)、『沖縄自立と東アジア共同体』(花伝社)、『核の戦後史―Q&Aで学ぶ原爆・原発・被爆の真実』(創元社)、『沖縄謀叛』(かもがわ出版)、など。

目次
はじめに 木村  朗
序言 東アジア不戦共同体と沖縄
   ──中国・北朝鮮脅威論の虚妄性を超えて
鳩山友紀夫
序章 中国・北朝鮮〝脅威〟論を検証する 進藤 榮一
第1部 台頭する中国脅威論と東アジアの平和
 1 ベトナム戦争の21世紀への教訓
   ──知られざる中国の「参戦」と今日的な示唆
朱  建榮
 2 「敵」はこうして作られる
   ──尖閣に見る中国脅威論の捏造
岡田  充
 3 中国脅威論で自縄自縛に陥った日本
   ──アベノミクスの破産が疑心暗鬼を生む
矢吹  晋
 4 中国の国連平和維持活動
   ──「国際の平和及び安全の維持」は脅威か
加治 宏基
第2部 切迫する北朝鮮問題と東アジアの平和
 1 安倍政権の対北敵視政策がもたらす悪夢
   ──「朝鮮戦争」から何を学ぶか
前田 哲男
 2 米国の対北朝鮮核攻撃計画
   ──ICBM実験に端を発した危機の根本要因とは何か
成澤 宗男
 3 南北朝鮮の和解と統一を阻むもの
   ──アメリカの覇権主義と追随者たち
纐纈  厚
 4 李明博・朴槿恵政府における「従北」レッテル貼りと「排除の政治」 李  昤京
第3部 激動する東アジア情勢の中での沖縄
 1 沖縄問題と日本の安全保障 屋良 朝博
 2 沖縄と「本土」を考える
   ──「基地引き取り」の課題と可能性
渡辺  豪
 3 生き続ける悪夢の日米合意 高嶺 朝太
 4 朝鮮半島危機と沖縄基地問題への一考察
   ──歴史の教訓・分断体制論・自治体平和政策の視点から
金  成浩
 5 アジア独立運動における琉球人の主体的役割とその意味
   ──新垣弓太郎、蔡璋(喜友名嗣正)を中心にして
松島 泰勝
終章 アジア版NATOではなく東アジア不戦共同体を目指せ
   ──中国・北朝鮮脅威論を超えて
木村  朗
おわりに 進藤 榮一

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フィリピンにおける民主的地方政治権力誕生のダイナミクス
フィリピンにおける民主的地方政治権力誕生のダイナミクス
東江 日出郎 著

●2017年10月10日刊行
●A5判 上製 279ページ
●定価3,700円+税
●ISBN978-4-86377-049-2

フィリピン政治・社会研究の新たな視座

従来のフィリピン研究において、地方政治は買収・脅し・汚職の温床、理念や政策は重要ではない伝統的政治権力の相剋の場として捉えられてきた。だが、1986年以降のフィリピンの国家・政治・社会構造の変容とともに、地方政治もまた変容が起きた。
そのダイナミクスのなか、ミンダナオ島の中心都市であるジェネラルサントス市で、いかに伝統的政治権力によらない民主的地方政治権力が誕生したか。政策・理念・民主的正統性が選挙で意味をもつフィリピン地方政治の萌芽を捉える。

著者:
東江 日出郎(アガリエ ヒデオ)
金沢大学人間社会学域経済学経営学系国際学類准教授、国際開発学博士(名古屋大学大学院国際開発研究科)

目次
はじめに 問題の所在と研究方法
第1章 フィリピン地方政治権力構造認識の変遷
第2章 アキーノ、ラモス政権期のフィリピンの政治、社会変容
第3章 ジェネラルサントス市の概要
第4章 ジェネラルサントス市における民主的政治のダイナミクス
結 章 ジェネラルサントス市の民主的政治のダイナミクスが持つ意義


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私たちの決断 あの日を境に
私たちの決断
あの日を境に……
原発賠償京都訴訟原告団 編

●2017年9月15日刊行
●A5判 並製 128ページ
●定価1,200円+税
●ISBN978-4-86377-048-5

国・東電への原発事故による賠償を求めて

原発賠償京都訴訟は、2011年3月に発生した福島第一原発事故によって引き起こされた放射能汚染から逃れるために、福島県をはじめ東北・関東の被災地から京都に避難した57世帯174人が、国と東京電力を相手どって損害賠償を請求している集団訴訟です。
2017年9月に結審し、2018年3月頃に判決が出る見通しです。避難を決意し訴訟に立ち上がった理由、心身に起きた異変、激変した生活、家族との葛藤、避難生活の困難などを綴ったものです。国家・東電による賠償と避難の権利を求めて闘う、原告らの思いが込められています。
避難者による原発賠償京都訴訟は、来年(2018年)3月に判決がなされる予定で、たいへん注目されています。
多くの原告が実名で自身の被害や現状を綴った手記の出版は、珍しいです。

編者:
原発賠償京都訴訟原告団(ゲンパツバイショウキョウトソショウゲンコクダン)
2011年3月に発生した福島第一原発事故によって引き起こされた放射能汚染から逃れるために、福島県をはじめ東北・関東の被災地から京都に避難した57世帯174人が、国と東京電力を相手どって損害賠償を請求した集団訴訟の原告団。

目次
はじめに
弁護団からのメッセージ
原告の思い(24人)
支援する会共同代表からのメッセージ
原告の思い~アンケートから(8人)
支援する会スタッフからのメッセージ


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つながりを求めて 福島原発避難者の語りから
つながりを求めて
福島原発避難者の語りから
辰巳 頼子、鳫 咲子 編著

●2017年8月20日刊行
●四六判 並製 160ページ
●定価1,200円+税
●ISBN978-4-86377-047-8

原発事故避難者への聞き取りと考察

福島第一原発事故による放射線の影響を恐れ、東京に避難してきた母子避難者たち──2011年からの6年間、避難生活と先の見えない不安、家族との葛藤、そのなかでどのように〈つながり〉を求め、日常を送ってきたのか。どのような〈支援〉が求められているか。原発避難者への聞き取りと考察。

編著者:
辰巳 頼子(タツミ ヨリコ)
清泉女子大学准教授。兵庫県尼崎市生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。上智大学大学院外国語学研究科修了。博士(地域研究)。
フィリピンの南部のムスリム民族集団「マラナオ」を対象とした人類学的研究を行っている。イスラームを学びに海外留学をしたり移住労働をするマラナオの調査を行いながら、定住ではなく移動から社会を分析することを試みてきた。2006年より清泉女子大学文学部地球市民学科教員。2011年に大規模避難所で福島県からの避難者の方々に出会い、突然の避難と繰り返す移動を人々がどう意味づけていくのか、聞き取りを続けてきた。
論文に、「旅して学ぶ──フィリピン・ムスリム留学生の事例から」『東南アジアのイスラーム』(東京外国語大学出版会)、「避難が生み出す平和──原発事故からの母子避難者が形成する新たなつながり」『平和の人類学』(法律文化社)など。

鳫 咲子(ガン サキコ)
跡見学園女子大学教授。千葉県市川市生まれ。上智大学法学部国際関係法学科卒業。筑波大学大学院経営・政策科学研究科修了。博士(法学)。
参議院事務局に調査員等として27年間勤務し、その間、DV法改正など国会議員の立法活動のための業務に携わる。2011年に職場近くの大規模避難所で福島県からの母子避難の方々と出会い、クリスマス会などの交流を続けている。2012年から跡見学園女子大学マネジメント学部教員(行政学)。現在は、大規模災害で被災した子どもの貧困防止策などを中心に調査研究を行っている。
著書に、『復旧・復興へ向かう地域と学校』(東洋経済新報社)、『資料集 東日本大震災・原発災害と学校』(明石書店)、『給食費未納 子どもの貧困と食生活格差』(光文社新書)、『子どもの貧困と教育機会の不平等──就学援助・学校給食・母子家庭をめぐって』(明石書店)等がある。

目次
はじめに
Ⅰ 福島原発避難者聞き書きの記録
 1 東京に避難する
 2 これからを模索する ── 東京で
 3 これからを模索する ── 福島で
 4 断絶とつながりと ── ほっとできる場所を探して
Ⅱ 避難者の語りを受けて
 1 原発避難、県外母子避難の現状 鳫 咲子
 2 聞き書き集の言葉が問いかけるもの 辰巳頼子
 3 東日本大震災の避難者支援に関わって 中村まさ子
 4 避難者のボランティアを経験して 竹内裕香莉
 5 震災と避難者支援ボランティア 石井 亮
関連年表
おわりに

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労働を弁護する
労働を弁護する
ー弁護士 金善洙の労働弁論記
金善洙 著
山口恵美子、金玉染 訳
在間秀和、金容洙 解説

●2017年3月1日刊行
●A5判 並製 260ページ
●定価2,500円+税
●ISBN978-4-86377-046-1

韓国の第一線の労働弁護士による、
韓国の労働法と労働者の現代史。

著者自身が関わった25の労働事件から、労働組合を結成し不当な解雇や非正規の差別に抗する労働者の群像を描く。

著者
弁護士。韓国で1988年より多くの労働事件を担当してきた。「民主社会のための弁護士会」創立会員。

推薦 西谷 敏(法学者、著書『労働法』『労働組合法』)

「韓国の労働運動・労働法に興味のある人はもちろん、日本の労働運動や労働法を少しでも深く考えたいと思っている人にとってもきわめて有益な書である。」

目次
金善洙『労働を弁護する』を推薦する(西谷 敏)
はじめに
日本語版発行にあたって
1.全泰壱を思い弁護士を夢見る
2.第6共和国と共に始められた労働弁論
3.社長になったキャディ
4.複数労組禁止、法院が見つけた迂回路
5.どこまでが通常賃金か
6.1992年、初めての合法的労働者大会
7.労組無力化の道具、ロックアウト
8.労働契約はどの時点から成立するのか
9.10年かかった退職金訴訟
10.21世紀になっても保障されない公務員の労働基本権
11.ある日突然キャンパスから消えた教授たち
12.8年8か月8日ぶりの復職
13.あまりにも稚拙で無謀な労組弾圧
14.法院を無視する社長、自ら権威を失墜させる法院
15.大韓航空乗務員、11年間の法廷闘争記
16.今も闘うコルト・コルテックの労働者たち
17.労働は商品ではない
18.追放された教師が教室に戻るまで
19.虫けら扱いされた大学助教
20.無理な検察権行使、当然の判決
21.銀行の小細工、勤務評定の評価を下げて待機発令
22.「通常解雇か懲戒解雇か」ではなく、解雇そのものが問題
23.企業の横暴に立ち向かった事務職労働者
24.韓国労働研究院の無謀な解雇
25.不当解雇後の復職、そして会社からの報復
訳者あとがき

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志布志事件は終わらない
志布志事件は終わらない
木村 朗、野平康博 編著

●2016年11月10日刊行
●A5判 並製 282ページ
●定価1,850円+税
●ISBN978-4-86377-045-4

でっち上げ冤罪事件=志布志事件の集大成

2003年春の鹿児島県議選ででっち上げられた冤罪事件=志布志事件。2016年8月「叩き割り」国賠訴訟が終結、すべての裁判で住民側が勝訴した。だが、捜査・取調べ・長期の裁判で塗炭の苦しみを受けた被害者への謝罪はない。
事件の概要、刑事弁護活動の実際、元警察官による判決の分析、「住民の人権を考える会」をはじめ支援者の取組み、議会での追及などを詳しく掲載、年表や意見陳述書もフォローし、事件の全体像と本質を描き出す。
同時に、殺人・死体遺棄の無実の罪を晴らすために闘う最高齢の再審請求人・原口アヤ子さん(大崎事件)にも論及。
他方、今春の刑訴法改「正」では、取調べの可視化は一部に限られ、盗聴対象事件は拡大、あろうことか司法取引さえ導入された。志布志事件を問い直す中、日本の刑事司法の闇を抉り出す。

目次
まえがき 木村  朗
第1部 志布志事件とは何であったのか
 1 志布志事件の刑事弁護活動を振り返って 野平 康博
 2 調査報道で暴いた志布志事件捜査の違法性 梶山  天
 3 「まだ終わるわけにはいかない」
   ― その思いで闘い続けた二人 ―
   「叩き割り」訴訟の浜野博さん 「踏み字」事件の川畑幸夫さん
大久保真紀
 4 元捜査第二課長がみた志布志事件
   ― 国賠訴訟判決を読んで
原田 宏二
 5 取調べの全面可視化の法制化を必ず実現させよう 辻   惠
 6 志布志事件とは何であったのか
   ― 再犯防止のため真相究明と責任追及を!
木村  朗
第2部 当事者と支援者からの訴え
 1 志布志事件の主犯とされた中山信一 中山 信一
 2 志布志事件について 永山トメ子
 3 「住民の人権を考える会」の設立 一木 法明
 4 住民の人権は守られているか 谷口 松生
 5 明日は我が身 でっち上げ志布志事件 下平 晴行
 6 事件をめぐる経過と県議会での取組み
   ―「志布志事件」は終わらない
柳  誠子
特別編 大崎事件
 無実の罪を晴らしてから死にたい
 ― 最高齢の再審請求人・原口アヤ子さん ―
大久保真紀
第3部 資料編
 1 志布志事件の経過と
   「住民の人権を考える会」の活動
 2 無罪国賠訴訟・意見陳述書
あとがき 野平 康博

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生活者のための民法(債権関係)&消費者契約法改正
生活者のための民法(債権関係)&消費者契約法改正
法改正の概要と今後の課題
辰巳裕規 著

●2016年9月30日刊行
●A5判 並製 122ページ
●定価1,500円+税
●ISBN978-4-86377-044-7

消費者のための真の改正に向けて提言!

「民法、そして消費者契約法の改正は私たちの生活に大きな影響を及ぼすものですが、今般の法改正は生活者・消費者にとって決して十分なものではなく、さまざまな課題が残されています。これは、いずれの法改正においても経済界の意向が大きく反映された一方で、生活者・消費者サイドにおいて、契約過程・契約内容の適正化の実現等あるべき法改正に向けた「力」「声」が必ずしも結集されていない結果によるようにも思われます。」(本書「はしがき」より)

著者 辰巳裕規(たつみ・ひろき)
弁護士。神戸合同法律事務所。
日本弁護士連合会消費者問題対策委員会委員、適格消費者団体NPO法人ひょうご消費者ネット理事等。

目次

はしがき

第1章 民法(債権法)の改正
 第1節 そもそも「民法」とは
 第2節 なぜ今、民法改正なのか─ 改正の必要性と対象
 第3節 民法改正法案の概要と傾向
 第4節 主な改正点について
 第5節 小 括

第2章 消費者契約法(実体法)の改正について
 第1節 消費者契約法について
 第2節 消費者契約法の実体法規定の概観
 第3節 平成28年消費者契約法(実体法)改正の経過
 第4節 平成28年改正消費者契約法の内容
 第5節 今後の検討課題
 第6節 小 括

おわりに
 ─生活者のための民法・消費者契約法改正の実現を目指して

索 引


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文法アレルギーがなくなる英文法ノート
文法アレルギーがなくなる英文法ノート
実𠮷典子(清泉女子大学名誉教授)、
相亰美樹子(清泉女子大学教授) 著

●2016年10月1日刊行
●B5判 並製 106ページ
●定価1,800円+税
●ISBN978-4-86377-043-0

英語を正確に読み話すには、文法の理解が必要。
しかし、文法と聞いただけでアレルギー反応が起きる学生も多いのでは?
本書は、「学ぶ」のではなく「使う」ための文法ノート。
実例問題や例文を多く含み、初級編・上級編と分けられていることで、
独学でのステップアップも可能になっています。

目次


初級編

  • 実例3題
  • 解 説(文の要素/品詞/単語・句・節・文/基本文型/文の構造/文の種類/疑問文と否定文の作り方/代名詞/助動詞/前置詞/接続詞/関係詞/疑問詞/時制と時制の一致/動詞の活用/群動詞/進行形/完了形/受動態/不定詞/分詞/動名詞/否定/比較/仮定法/形式主語・形式目的語)
上級編
  • 実例3題
  • 解 説(前置詞/時制の一致/進行形/関係詞/動名詞/否定/仮定法/強調構文)


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井上ひさし再入門
パロディのパロディ 井上ひさし再入門
― 非国民がやってきた! Part 3 ―
前田 朗 著

●2016年4月9日刊行
●A5判 並製 252ページ
●定価1,800円+税
●ISBN978-4-86377-042-3

没後6年 前田朗によるオマージュ

少年時代に『ひょっこりひょうたん島』に笑わされて以来、井上ひさしワールドで笑い転げてきた著者前田朗。
井上ひさしは「9条を守る」だけではなく、「平和をつくる」ことを提起してきました。著者のスローガン〈非暴力・非武装・非国民・不服従・無防備の平和力〉と重なります。

これを実現する「最大の武器が笑いであることは言うまでもありません。権力による抑圧を跳ね返す哄笑、権力による隠蔽に対する嘲笑、仲間との信頼と連帯をつなぐ微笑や快笑――自分を笑い、仲間とともに笑い、時に涙を流しながら思わず苦笑し、時に激しく爆笑する庶民の「日常=平和」を紡いでいくことが私たちの課題です。」(あとがき)

井上ひさしへのオマージュと言えばパロディのパロディ。まだ、井上ひさしの神髄に触れたことのない読者を、井上ひさしワールドの入口にご案内します。

目次

第1話 井上ひさしの遺言
第2話 泣くのは嫌だ、笑っちゃおう
第3話 ガタゴト列車は、人生に乗って
第4話 東京裁判トライアングル
第5話 ユートピアを探して
第6話 笑うブンガク玉手箱
第7話 井上ひさしの平和憲法論


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甲状腺がん異常多発とこれからの広範な障害の増加を考える
甲状腺がん異常多発とこれからの広範な障害の増加を考える 増補改訂版
医療問題研究会 編著

●2016年2月15日刊行
●A5判 並製 166ページ
●定価1,200円+税
●ISBN978-4-86377-041-6

『甲状腺がん異常多発とこれからの広範な障害の増加を考える』 増補改訂版出来(2/15刊行)

『東京新聞』の「2015私の3冊」で紹介された初版本が、より充実した内容となりました。

2015年8月初版発行以降の新事実・研究成果などを収録

  • 岡山大学津田敏秀教授の論文が世界的な疫学雑誌Epidemiologyに掲載
  • 低線量被ばくの発がん性を明確にした原子力関連企業労働者の調査研究論文2編の発表
  • 福島原発事故処理労働者の放射線障害が医学的データとして学会に報告
  • 日本公衆衛生学会のシンポジウムで、放射線についての3名の著名な専門家が、被ばく線量測定とりわけ初期被ばく調査結果が低かったことを理由に、出現してくる障害を否定することはできないとの発言
  • 読者からの指摘に基づき、第2章⑷の内容を改訂

低線量被ばく障害を科学的に考える上で、また、放射能汚染から身を守り、健康診断を求める運動や、健康手帳を広げ求める運動などに役立てば幸いです。

目次

第1章 甲状腺がんの異常多発
第2章 チェルノブイリと福島の放射線被ばく量の比較、甲状腺がんと放射線量の関係
第3章 甲状腺がん多発をごまかす「論拠」
第4章 低線量被ばくの危険性
第5章 チェルノブイリ事故による甲状腺がん以外のがん
第6章 広範な健康障害について
増 補 明白な甲状腺がん異常多発と健康障害の進行
特別編 ベラルーシ・ドイツ訪問記
資料編
おわりに


初版概要

「低線量・内部被曝の危険性」で被ばくによる健康障害の危険性を訴えてきた医療問題研究会が、これまでの知見を踏まえ、福島「県民健康調査」のデータを科学的に分析し、福島の実態を見据えつつ、甲状腺がん多発の正確な評価を示し、これからの広範な障害の増加に警鐘を鳴らす。


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手塚治虫と戦災孤児
手塚治虫と戦災孤児
菅 富士夫 著

●A5判 上製 310ページ
●定価2,400円+税
●ISBN978-4-86377-039-3

発行所 中井書店
発売所 耕文社

戦後70年を迎え、近頃の日本国内の政治動向は平和を脅かす、危険な方向に向かいつつあります。

手塚の平和思想が鮮明に表明されたのが、戦後40年の時でした。その年、国内の庶民が戦争の記憶を忘れつつあるのではないかと危惧していたからです。

今年まで手塚が生きていれば、どのようなメッセージを発しただろうかと、著者はしばしば自問するようになりました。そこで、彼の作品をとおして問題提起するため、急遽本書を出版することを決意しました。

平和を守るためにいささかでも寄与できることを願っています。

(菅 富士夫)

目次

第一章 手塚治虫の戦争と空襲
第二章 大阪における敗戦後の浮浪児・孤児と全国孤児調査
第三章 手塚治虫と戦災孤児たち


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変容するドイツ政治社会と左翼党 表紙
変容するドイツ政治社会と左翼党-反貧困・反戦ー

●著者 
木 戸 衛 一(大阪大学大学院国際公共政策研究科准教授)
●A5判 並製 196ページ
●ISBN978-4-86377-038-6
●定価1,700円+税

 7月11日(土)刊行記念講演会開催 
詳しくはこちらをご覧ください。

 ドイツと日本。
 相似た近現代の歴史を持つ両国。だが現在の姿は、対照的に見える。  日本では今、安倍政権が強権的に歴史の歪曲と戦争法制化を進めている。メルケル首相の来日を機に、ネット上には「嫌韓」に倣い「嫌独」「煙独」なる差別語が流れる。 他方、戦後補償の優等生とも言われるドイツ。だが最近では、ドイツ版在特会のような、イスラーム排斥を叫ぶ政治団体「ペギーダ」が活動を強める。

 「ベルリンの壁」崩壊から25年を経たこうした状況の中、ドイツ・テューリンゲン州には、左翼党の州首相、左翼党・社会民主党(SPD)・緑の党による「赤赤緑」連合政権が誕生した(2014年末)。
 「反貧困・反戦」を旗印とする「左翼党の活動は、不安定な労働と生存、貧困の連鎖、住宅難、ネオナチと人種差別などに現実に苦しんでいる人びとにとって、問題の根源的所在を明らかにし解決の方途を示す一つの希望の光となっている。」(本書、あとがき)

 本書は、ドイツ国内で政治的影響力を強め、欧州左翼のキーポジションを占める左翼党の沿革・展望を詳細に分析する。また、補論のドイツ政治システムの紹介は、日本の政治を考えるうえでも示唆的である。  著者は、ドイツ現代政治・平和研究を専門とし、平和運動の場でも活躍中。

 最新(2015/2)の副党首インタビューを収録 

目次


はじめに
第1章 なぜ「左翼党」か?
第2章 「シュレーダー改革」の長い影
第3章 左翼党前史
第4章 東西における政治意識の変化
第5章 左翼統一政党結成への道のり
第6章 躍進と混迷
第7章 新たな飛躍へ
補 論 ドイツの政治システムについて
     ―日本政治へのインプリケーション―
インタビュー
    トビアス・プフリューガー副党首に聞く
あとがき


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キヤノンに勝つ 表紙
キヤノンに勝つ
――偽装請負を告発した非正規労働者たち
キヤノン非正規労働者組合 編

●A5判 並製 194ページ
●定価1,100円+税
●ISBN978-4-86377-033-1 

緊急出版 今国会の派遣法改正論議に問う!

「派遣をモノ扱いするな!」非正規労働者だけで労働組合を結成。キヤノンの偽装請負を告発し、正規雇用を勝ち取ったキヤノン非正規労働者組合、その闘いの軌跡。
キヤノン争議の意義、安倍政権が掲げる労働者派遣法改正案の問題について、当事者、労働法学者、弁護士が論じる。

「あの工場自体が、ぼくらの職場が止まったら、すべて止まっちゃう。派遣社員がいなければ回せない状態だった。正社員になりたいというよりは、正社員にするの?しないの?どっちなのと、ちょっと詰め寄る感じで強気で行った。クビにできるものならしてみろという気持ちがあった、みんな」――大野秀之(キヤノン非正規労働者組合)

キヤノンの非正規労働者たちが示した闘いの経験と教訓、とくに連帯を広げる取り組みの意義を改めて確認し、それを正規・非正規を超えた労働者の連帯に、さらに企業の枠や雇用形態の違いを超えた大きな連帯へと発展させることが必要である。――脇田滋(龍谷大学法学部教授)

目次


第1章 ドキュメント キヤノン非正規労働者組合の闘い(阿久津真一)
第2章 キヤノン争議がつくりだした連帯――組合の垣根を越えた闘い(伴幸生)
第3章 キヤノン争議の経緯と勝利和解の意義(萩尾健太)
第4章 偽装請負事件と裁判の課題――パナソニックPDP事件最高裁判決に挑む(笹山尚人)
第5章 日本の間接雇用規制とキヤノン争議の意義(脇田滋)
第6章 組合員座談会 非正規労働者でも組合をつくって闘える!


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グローバルファシズム表紙
●編著  木村 朗  前田 朗
●A5判 並製 365ページ
●定価  2,000円+税
●ISBN978-4-86377-032-4 

 特定秘密保護法だけではありません。安倍政権のもとで、集団的自衛権の解釈変更や国防軍創設の憲法「改正」が狙われ、他方で領土問題やヘイト・スピーチなど偏狭なナショナリズムの煽動が急ピッチです。こうした動きがあらゆる分野に広がってきています。民主主義からファシズムへの「不可逆点」を越えつつある今の日本。
 戦後日本の歩みを振り返り、今どのような時代を生きているかを検証し、何をなすべきか、危機克服に向けた課題と方策を模索するために開かれた論議が求められています。

 本書には、各分野で活躍される第一線の方々から、鋭い提起をいただきました。ぜひご一読をお薦めいたします。
目次

序章 グローバル・ファシズムは静かに舞い降りる ……………………………………… 前田  朗 

第1部 ファシズム到来の前兆
1 監視する権力、監視されたがる民衆 …………………………………………………… 斎藤 貴男 
2 具島ファシズム論と現代日本の政治─「管理・監視ファシズム」到来の危機─ … 熊野 直樹
3 有事法は戦争憲法への準備だった ……………………………………………………… 上原 公子 
4 戦前の報道と現代の報道─相似形、ますます強まる ………………………………… 高田 昌幸
5 裁判員制度を廃止しよう ………………………………………………………………… 高山 俊吉 
6 虚構に追い立てられる現代欧米社会 …………………………………………………… 童子丸 開 
7 「虚偽は暴力の母」─ハシズムとナチズム─ ………………………………………… 木戸 衛一

第2部 戦争とテロの時代
1 安倍政権と新アジア・モンロー派の台頭……………………………………………… 纐纈  厚 
2 戦前の日本と現代日本との軍備状況・翼賛体制の比較……………………………… 前田 哲男 
3 朝鮮半島問題―忍び寄るファシズムの影─…………………………………………… 浅井 基文
4 韓国における在日韓国人「スパイ」捏造事件から見る、保守政権下民主主義の危機
     ……………………………………………………………………………………… 李  昤京
5 シリア内戦から見た米国軍事政策の本質……………………………………………… 成澤 宗男
6 中東イスラム世界から退潮する米国の影響力………………………………………… 宮田  律 
7 「沖縄戦再来前夜」の危機に直面した沖縄…………………………………………… 石原 昌家 
8 領土ナショナリズム煽る体制補完物 大手メディア、その報道を検証する
          ─尖閣諸島問題と日中関係─ ………………………………………………………… 岡田  充 

第3部 民衆の抵抗と平和・人権論
1 日本国憲法の平和的生存権─戦争と暴力に抗する手段として─…………………… 清水 雅彦
2 広がる政治弾圧と刑事司法─裁判所の問題を中心に………………………………… 下地 真樹
3 「慰安婦」問題と歴史修正主義…………………………………………………………  西野瑠美子
4 植民地支配・強制連行と朝鮮人被爆者………………………………………………… 髙實 康稔
5 沈黙は許されない………………………………………………………………………… 辛  淑玉
6 ファシズムは復活するのか、ファシズムは継続しているのか
        ─東アジアで考えたこと─……………………………………………… 徐   勝

終章 忍び寄るグローバル・ファシズムの危機─戦争前夜の時代状況に抗して─…… 木村  朗

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cover
●著 金鎮淑(キム・ジンスク)
●訳 裵姈美(ペ・ヨンミ)、
   野木香里、友岡有希
●46判並製 344ページ
●定価 1,900円+税
●ISBN978-4-86377-030-0

11月10日発売

12月1~5日、著者来日講演ツアー、成功。
詳しくはこちら http://jinsuk.jimdo.com/ (外部リンク)をご覧ください。

解雇は殺人だ!
309日間クレーンに立て篭もり、組合員の解雇を撤回させた女性、金鎮淑。
クレーンの上から発せられる言葉は、釜山に数万人の人々がかけつける「希望のバス」を生み出した。
整理解雇と非正規雇用のない世界へ向かう、新たな韓国の運動。

著者紹介
金鎮淑(キム・ジンスク)
author  
1960年、韓国・江華島の貧しい農村に生まれる。新聞配達、バスの案内係など様々な仕事を経た後、81年に大韓造船公社(現・韓進重工業)影島造船所で初の女性溶接工として働き始める。死亡事故が多かった劣悪な労働環境を変えるために、まず御用組合を変えようと立ち上がったところ、86年に不当解雇にあう。以後、解雇撤回闘争を続ける中で幾度の逮捕・弾圧を受けながら、民主労総指導委員として釜山地域の労組結成・労働運動に尽力する。2010年末に韓進重工業が発表した400人の整理解雇に抗議し、2011年1月、クレーンに上り整理解雇撤回を訴え続ける。金鎮淑らを応援するために市民が大挙してバスに乗って駆けつけた「整理解雇と非正規雇用のない世界に向かう希望のバス」は、新自由主義による資本の暴力に抗う運動の新たな地平を切りひらいた。11月10日、会社側は整理解雇を撤回。金鎮淑は309日目に地上に下りた。

目次

日本の労働者のみなさんへ
日本語版序――この四人の名前が金属労組・韓進重工業支会の歴史だ
希望のバスは今も走っている――『塩花の木』日本語版出版を祝って(宋竟東)
出版にあたって
1 この地で労働者として生きるということ
2 亀甲船を造る人びと
3 これ以上殺すな!
4 非正規労働者は正規労働者の未来だ
5 指を集めて握れば拳になる
6 傷
7 笑いながら最後まで、共に闘おう!――85号クレーン、そして、希望のバス
付録(造公労働者新聞と造船公社労働組合、烈士紹介、朝鮮半島地図)
訳者あとがき


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『国民を殺す国家』表紙イメージ
●著  前田 朗
●A5判並製  183ページ
●定価 1,200円+税
●ISBN978-4-86377-029-4

「日本という国では、国民は粗末に扱われ、踏みつけにされ、放り出されます。公然と文句を言うと弾圧されます。他人を犠牲にし、引きずり降ろし、自分の『自由と安全』を確保しようという空気がこの国を覆っています。息苦しく暮らしにくい世の中に、かつて人々はどのように抗い、どのように毅然と生きようとしたのでしょうか」
(著者あとがきより)

目次

第1章  軍隊は国民を殺す
第2章  非国民群像
    1 石川啄木
    2 伊藤千代子
    3 小林多喜二
    4 槇村 浩
    5 治安維持法と闘った女たち
    6 治安維持法と闘った男たち
第3章  差別のライセンス
    1 朝鮮学校差別
    2 朝鮮人差別―在特会という排外主義集団
    3 ヘイト・クライムホウはなぜ必要か
第4章  平和主義と平和的生存権
    1 平和主義のリアリズム
    2 ガンジーの非暴力抵抗
あとがき


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